ⓔコラム18-11-6 炭鉱炭じん爆発による一酸化炭素中毒 (carbon monoxide poisoning)
一酸化炭素中毒は火災などでも多発するが,かつて石炭がエネルギーソースとして広く用いられていた頃は,炭鉱炭じん爆発により大量の一酸化炭素中毒患者が発生した.日本で発生したその最大のものは,1963年11月9日午後3時12分に,福岡県大牟田市三川町の三井三池炭鉱三川鉱で発生した炭じんによる粉じん爆発事故によるものであった.三川鉱第一斜坑の坑口から約1600 m付近の斜坑でトロッコ事故による炭じん引火爆発が発生し,当時坑内にいた約1400人の労働者のうち,458人が死亡.救出された940人のうち839人が一酸化炭素中毒に罹患している.
〔古谷博和〕